2024年11月1日に、フリーランス保護法(正式名称は、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といいます。)が施行されます。
フリーランスとは、個人か法人かに関わらず、雇人等がおらず、請負った仕事を一人で遂行する人のことをいいます。
■フリーランス保護法の目的
この法律は、フリーランスに業務を委託する事業者に対し、委託内容の明示義務、報酬の早期支払義務、各種禁止・遵守事項等を課し、委託事業者の優越的地位の濫用行為を防止しています。立場が弱く、とかく不利な条件を押し付けられがちなフリーランスを保護しようとするものです。
■下請法との違い
弱者保護の法律というと、下請法(正式名称は、「下請代金支払遅延等防止法」です。)が思い浮かびますが、フリーランス保護法とは適用範囲が異なります。
下請法は、事業者が第三者から請負った仕事を他者に再委託するような取引に適用されます。自ら利用するための仕事を委託しても一部例外を除き対象にはなりません。
例えば、メーカーから商品パンフレットの制作を委託された広告会社が、印刷会社にその仕事を再委託すれば広告会社には下請法が適用されますが、メーカーが印刷会社に直接委託した場合はメーカーには下請法は適用されません。
また、下請法には資本金要件があり、業務を委託する事業者の資本金が1千万円以下であれば適用されません。上記の例では、広告会社の資本金が1千万円以下であれば、下請法は適用されません。
これに対し、フリーランス保護法の対象となる業務委託は非常に幅広いうえ、資本金要件はありません。フリーランスに業務を委託するのであれば、全ての取引が対象になると考えて良いでしょう。フリーランス保護法が適用されるか否かは、業務委託の相手がフリーランスか、そうでないかだけで決まります。
例えば、フリーランスが請負った仕事を他のフリーランスに再委託する場合、資本金要件から下請法は適用されませんが、フリーランス保護法の対象にはなります。
■フリーランス保護法への対応
フリーランス保護法に定められている委託内容の明示義務、報酬の早期支払義務、各種禁止・遵守事項等は、多少の違いはあるものの、下請法に定められているものと、ほぼ同等です。
これまで下請法に対応してきた事業者にとっては、その延長線上で対処できると思われます。
しかし、資本金が1千万円以下で、これまで下請法に対応した経験がない事業者は、改めて対処の方法を検討する必要があります。
また、業務委託の相手がフリーランスかどうかは、取引に入ろうとする際に相手に確認してみるほかないでしょう。
■フリーランスとしては
業務を受託したフリーランスは、委託事業者がフリーランス保護法に違反している場合、公正取引委員会、中小企業庁長官、厚生労働大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができます。
そして、違反事実が確認された場合、違反した委託事業者は、勧告や命令を受けることになります。
フリーランス側としては、委託事業者に対し、遠慮することなく、フリーランス保護法の遵守を求め、フリーランスの地位向上を図っていただきたいと思います。
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